愛ちゃんの気づき
放課後、教室の掃除をしながら、愛ちゃんは伊藤先生に声をかけました。
「先生~、この前から外国人材のこといろいろ教えてもらってん。でも、日本にとってどんなええことがあるんやろ?」
伊藤先生は嬉しそうに微笑みました。
「いい質問だね、愛ちゃん。外国人材を受け入れることには、いくつかのメリットがあるんだよ。一緒に考えてみようか。」
労働力不足の解消
伊藤先生は黒板に「メリット」と書き、その下に項目を追加していきました。
「まず一つ目は、労働力不足の解消だね。日本は少子高齢化が進んでいて、働き手が足りない分野がたくさんあるんだ。」
愛ちゃんは首をかしげました。
「へぇ~。でも、なんで日本人だけじゃダメなん?」
「いい質問だね。例えば介護の仕事は、日本人だけでは足りなくなってきているんだ。外国人材に来てもらうことで、お年寄りの世話を十分にできるようになるんだよ。」
「なるほど!おばあちゃんが喜びそう!」
新しい視点と技術の導入
伊藤先生は次の項目を書き加えました。
「二つ目は、新しい視点や技術が入ってくることだね。」
「新しい視点?それってどういうこと?」
愛ちゃんは不思議そうな顔をしました。
「例えばね、外国の人が「こうしたらもっと効率よく仕事ができるんじゃないか」とか「こんな新しい方法を知っているよ」といったアイデアを持ってくることがあるんだ。それによって、日本の会社や社会が良くなっていくんだよ。」
「へぇ~!そうか、いろんな国の人がおったら、いろんなアイデアが生まれるんやな!」
国際化と多様性
「その通り!そして三つ目は、日本の国際化と多様性の促進だね。」
伊藤先生は黒板にもう一つ項目を追加しました。
「国際化?なんか難しそう…」
愛ちゃんは少し困った顔をしました。
「簡単に言うと、日本がもっと世界に開かれた国になるってことだよ。外国人材が増えることで、日本人も異なる文化や考え方に触れる機会が増えるんだ。それによって、お互いの理解が深まり、グローバルな視点を持つ人が増えていくんだよ。」
「そっか!学校でも、カリンちゃんが来てから、みんな外国のこともっと知りたがるようになったもんな!」
経済効果
「そうだね。そして最後に、経済効果も大きいんだ。」
伊藤先生は最後の項目を書き加えました。
「経済効果?お金のこと?」
愛ちゃんは少し難しそうな表情をしました。
「そうだね。外国人材が日本で働くことで、その人たちも給料をもらって買い物をしたり、税金を納めたりするんだ。それによって、日本の経済が元気になるんだよ。」
「へぇ~!外国人材が来ることで、こんなにたくさんのええことがあるんや!」
読者への問いかけ
皆さんの地域や職場で、外国人材の受け入れによってどのような変化がありましたか?新しい視点や技術が導入されたエピソードがあれば、ぜひ教えてください。
愛ちゃんの決意
「よっしゃ!わたしも、もっと外国の人と仲良くなって、いろんなこと学んだるわ!そして、日本のええとこもいっぱい教えたる!」
愛ちゃんは元気よく宣言しました。
伊藤先生は温かい笑顔で答えました。
「その気持ちはとても大切だね。お互いに学び合い、理解し合うことが、より良い社会を作ることにつながるんだ。」
「せやな!でも先生、外国人材を受け入れるのに、なんか困ったことはないんかな?」
「いい質問だね。確かに課題もあるんだ。それについては、次回お話ししようか。」
愛ちゃんはうなずき、教室の掃除を再開しました。伊藤先生は、子供たちの純粋な好奇心と学ぶ意欲に、日本の明るい未来を感じずにはいられませんでした。
第5章は「外国人材受け入れのデメリットとその対策」というテーマで、愛ちゃんと伊藤先生の対話が続きます。お楽しみに!