~愛ちゃんが暴く!?多文化チームの秘密~
「先生、なんかうちのクラス、インターナショナルやなぁ〜」
教室の掃除をしながら、愛ちゃんがポツリと呟いた。
「ん?どういうこと?」
黒板を消して伊藤先生は、首を傾げながら愛ちゃんを振り返った。
「だってほら、クラスに3人も外国人おるやん。
アメリカ人のジョン、中国人のリー、インド人のアリシャ。まるで国連やで〜」
「あぁ、そういえばそうだね。でも、みんな仲良くやってるじゃない」
「せやけど、たまにモヤモヤするんよ。
アリシャは『Yes』言うてんのに首を傾けて振るし、リーはどんな場面でも舌打ちするし。
もう、何が何やら分からへん!」
愛ちゃんは机の上に座りながら愚痴った。
「まぁまぁ、そう言わずに。それぞれの国の文化の違いだよ。
日本でも地域によって方言が違うでしょ?」
「せやけど先生、会社でもそんな感じなんちゃう?
外国人と一緒に働くの、ようけ大変そうやで」
伊藤先生は、ふと真面目な顔になった。
「そうだねぇ。最近、日本の会社でも外国人を雇用するところが増えてきてるんだ。
グローバル化っていうやつさ」
「グローバル化?何それ?」
「世界中の人々や企業が、国境を越えてつながることを言うんだ。
例えば、日本の会社が海外で商売をしたり、外国人を雇ったりすることさ」
「へぇ〜。でも、言葉も文化も違う人と一緒に働くの、むっちゃ大変そうやなぁ」
愛ちゃんは、首を傾げながら考え込んだ。
「確かに課題はあるね。でも、メリットもたくさんあるんだよ」
「メリット?どんなん?」
「例えば、多様な視点が生まれること。
外国人は日本人と違う考え方をすることがあるから、新しいアイデアが出やすいんだ」
「なるほど〜。でも、それって喧嘩になりそうやけど大丈夫なん?」
伊藤先生は、くすっと笑いながら答えた。
「そこが面白いところなんだ。異なる意見をうまく調整して、より良いものを作り出す。
それが多文化チームの醍醐味なんだよ」
「うーん…でも先生、それって難しそうやなぁ。どうやってコミュニケーション取るん?」
「そうだねぇ。
言葉の壁を乗り越えるのは大変だけど、お互いの文化を尊重し合うことが大切なんだ。
例えば、相手の国の挨拶や習慣を学んでみるとか」
「なるほど〜。じゃあ、ジョンに『Yo! What’s up, bro?』って言うたらええんやな!」
伊藤先生は、思わず吹き出してしまった。
「まぁ、そこまでしなくてもいいけどね。大切なのは、相手を理解しようとする気持ちだよ」
「ふ〜ん。でも先生、外国人と働くの、めっちゃ面白そうやなぁ…世界が広がりそうだし!」
愛ちゃんの目が輝いている。
伊藤先生は、少し驚いた様子で答えた。
「うん。多文化チームには確かに課題もあるけど、それ以上に学べることが多いんだ。
世界中の人と協力して仕事ができるなんて、素晴らしいことだと思わない?」
「せやな〜。でも先生、ほんまに大丈夫?
日本人って、『以心伝心』とか言うて、言葉にせんと分かり合おうとするやん。
外国人相手やと通用せんのちゃう?」
伊藤先生は、少し考え込んでから答えた。
「確かに…
日本特有のコミュニケーションスタイルは外国人には分かりにくいかもしれないね。
でも、だからこそ互いに歩み寄る必要があるんだ。
日本人は言葉で明確に伝えることを意識し、
外国人は日本の『空気を読む』文化を少しずつ理解していく。
そうやって、お互いの良いところを取り入れていくんだよ」
「なるほど〜。
言うてみれば、お互いの文化をミックスして、新しい働き方を作るってこと?」
「そう!その通りだよ、愛ちゃん。多文化チームの真の価値は、そこにあるんだ。
異なる文化や考え方が交わることで、新しいアイデアや解決策が生まれる。
それが、グローバル化時代の強みになるんだよ」
「へぇ〜。そう考えたら、なんかワクワクしてきたわ!」
愛ちゃんの目が輝いている。
伊藤先生も、嬉しそうに頷いた。
「そうだね。多文化チームには確かに課題もあるけど、それ以上に学べることが多いんだ。
世界中の人と協力して仕事ができるなんて、素晴らしいことだと思わない?」
「せやな〜。でも先生、ちょっと気になることあんねん」
「何だい?」
「もし、外国人の同僚が『お好み焼きにマヨネーズかけるのはアカン!!!』
って言うてきたら、どないしたらええん?」
伊藤先生は、思わず吹き出してしまった。
「まぁ、そこは譲れないところだね。
でも、そういう小さな違いを楽しめるのも、多文化チームの醍醐味かもしれないよ」
「せやな〜。じゃあ、明日からジョンたちに関西弁教えたろか!」
「え?ちょ、ちょっと待って!それは…」
伊藤先生の制止の声も空しく、愛ちゃんは意気揚々と教室を後にした。
明日から、この小さな教室で新たな「国際交流」が始まりそうだ。
さて、読者の皆さんはどう思いますか?
多文化チームで働くことのメリットと課題について、あなたの意見を聞かせてください。
職場での異文化コミュニケーションの経験談もあれば、ぜひ教えてくださいね!